岡山県自然保護センターの湿生植物園
岡山県自然保護センターにある湿生植物園は、センター内に自然観察施設の一つとして造成されたものである。元々湿原が発達していない場所に作られたものとしては、本邦初の事例と思われる。面積は約0.8haであり、いくつかの貧栄養性の池を含んでいる。
2001年11月4日に自然保護センター開所10年を記念してシンポジウムが開催された。建設してから10年間の年月が経過したので、これまでの成果を評価できる年月が経過したと考える。ここまでの成果をまとめておく。
- 湿生植物園造成の背景と湿原植生の移植の考え方
- 岡山県自然保護センターにおける湿原造成の実際
- 最近の湿生植物園
- 湿原造成に関する評価と今後の課題
関係論文
- 福田 宏・鈴木田亘平、2001.人工湿原に定着しえた絶滅危惧貝類.岡山県自然保護センター研究報告(9):63-70.
- Hada,Y., 1984. Phytosociological studies on the moor vegetation in the Chugoku District, S.W. Honshu, Japan. Bull. Hiruzen Res. Inst., Okayama Univ. Sci., (10):73-110.
- 波田善夫、1997.高速道路の建設にともなう湿原の移設とビオトープの創生.道路と自然、(95):36-39.日本道路緑化協会.東京.
- 波田善夫、2000.二次的自然と人類のかかわり.植生情報(4):23-29.
- 波田善夫、2001.湿原における保護と復元.「生態学から見た身近な植物群落の保護」(大沢雅彦監修・(財)日本自然保護協会編集)pp.80-87.講談社.東京.
- 波田善夫、湿原を移植するに至った背景と移植技術.岡山県自然保護センター研究報告(9):31-33.
- 波田善夫・西本 孝・光本信治、1995. 岡山県自然保護センター湿生植物園 1.基盤地形の造成と植生移植の方法.岡山県自然保護センター研究報告、(3):41-56.
- 波田善夫・西本 孝・大谷修司・福田 宏・森 生枝、2001.10周年記念シンポジウム総合討論の記録と評価.岡山県自然保護センター研究報告(9):77-82.
- 森 生枝、1996.岡山県自然保護センターのトンボ類.岡山県自然保護センター研究報告、別巻(1):19-26.
- 森 生枝、1998.岡山県自然保護センターのハッチョウトンボ 1.湿生植物園における成虫個体数の継年変化(1993年〜1998年). 岡山県自然保護センター研究報告、(6):1-8.
- 森 生枝、2000.岡山県自然保護センターのハッチョウトンボ 2.湿生植物園周辺での確認記録.岡山県自然保護センター研究報告(8):43-46.
- 森 生枝、2001.岡山県自然保護センターのハッチョウトンボ 3.湿生植物園における個体数変遷(1997年から2001年).岡山県自然保護センター研究報告(9):19-26.
- 森 生枝、2001.トンボ類から見た人工湿原の評価 −ハッチョウトンボの生息と経過−.岡山県自然保護センター研究報告(9):71-76.
- 日経コンストラクション、1993.「湿原」を運んだ 開発による消失を防ぐ岡山の試み.6月25日号:74-78.日経BP社.東京.
- 日経コンストラクション、1997.岡山県総社市岡山道・ひいご谷湿原の保全.10月25日号:120-125.
- 西本 孝、1995. 岡山県自然保護センター湿生植物園 2.開所から3年目までの管理.岡山県自然保護センター研究報告、(3):57-64.
- 西本 孝、1996. 岡山県自然保護センター湿生植物園の植生 2.移植後5年間の植生変遷.岡山県自然保護センター研究報告、(4):39-50.
- 西本 孝、1997.岡山県自然保護センター湿生植物園 3.設立後4年目から6年目までの管理.岡山県自然保護センター研究報告(5):43-51.
- 西本 孝、1997.岡山県自然保護センター湿性植物園 4.水質調査記録.岡山県自然保護センター研究報告(5):53-70.
- 西本 孝、1998.湿原の移植と植生管理−岡山県自然保護センター湿生植物園の例−.吉備の草花(11):24-36.サギソウ保育会.倉敷.
- 西本 孝、2000.岡山県湿生植物園 5.設立後7年目から9年目までの管理.岡山県自然保護センター研究報告(8):47-57.
- 西本 孝、2001.岡山県自然保護センターにおける湿原の移植.「生態学から見た身近な植物群落の保護」(大沢雅彦監修・(財)日本自然保護協会編集)pp.192-193.講談社.東京.
- 西本 孝、2001.湿原の管理と植生遷移.岡山県自然保護センター研究報告(9):35-58.
- 西本 孝・波田善夫、1996.岡山県自然保護センターの湿生植物園の植生2.移植後5年間の植生変遷.岡山県自然保護センター研究報告(4):39-50.
- 西本 孝・波田善夫、1998. 岡山県自然保護センター湿生植物園の植生 3.移植後7年目の植生.岡山県自然保護センター研究報告、(6):15-28.
- 西本 孝・波田善夫、岡山県自然保護センターの湿生植物園の植生 4.移植後9年目の植生.岡山県自然保護センター研究報告(8):11-24.
- 西本 孝・宮下和之・波田善夫、1995.岡山県自然保護センターの植生 1.移植後3年目の植生.岡山県自然保護センター研究報告(3):11-22.
- 宮本邦男、1994.守られたひいご池上流湿原と今後の課題.高梁川流域の自然(9):4-15.高梁川の水と緑をまもる会.倉敷市.
- 宮本邦男、1996.ひいご池北湿原の近況.高梁川の水と緑をまもる会.倉敷.
- 大谷修司、1996.岡山県自然保護センターの淡水藻類.岡山県自然保護センター研究報告、別巻(1):103-150.
- 大谷修司・西本 孝、2001.岡山県自然保護センターにける開設後10年目のチリモ類の種組成.岡山県自然保護センター研究報告(9):59-62.
- 大矢光一、1998.学会賞を受賞して.日本緑化工学会誌.24:69-70.