ノミノツヅリ Arenaria serpyllifolia (ナデシコ科 ノミノツヅリ属
 ノミノツヅリは全世界に分布する越年性の一年草。か弱い姿ではありながら、乾燥する道端や荒れ地に生育する。秋に芽生え、春には広がって株を作る。茎は、最初は横に這うが花が咲く頃には立ち上がり、節ごとに枝を分けて上部は広がる。茎には全面に短い下向きの毛があるが、肉眼ではほとんど見えない。花は3月から6月まで咲き続けるが、節ごとに2つの枝に分かれるので、次第に大きな株になって咲くようになる。葉は長さ3〜7mmで小さく、両面無毛。花は直径7mmほどで小さく、鋭く尖った顎よりもわずかに花弁が短い。
 ノミノツヅリは「蚤の綴り」とのこと、蚤の粗末な着物といった意味らしい。同じ科でよく似た名前のノミノフスマは湿った水田に生育するので生育地は全く異なるが、小さくて白い花を咲かせることでは共通点がある。このような小さな植物は、最小の資源で子孫を残すことが可能であり、ノミのように小さいからこそ生きていける戦略を採っている。植物の戦略も多様である。
道端に生育するノミノツヅリノミノツヅリ
ノミノツヅリの花ノミノツヅリの茎と葉
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