モス・キャンピオン Silene acaulis (ナデシコ科 マンテマ属) |
カナディアン・ロッキーの森林限界を過ぎた草原で「その植物は絶対踏んではいけない!」とガイドに申し渡された。その時は花が咲いていなかったので、単なるコケの群落としか見えなかった。さらに登っていくと花盛りの群落があった。マンテマ属であるという。コケのサイズまで小さくなることで厳しい環境に耐えている。生長は大変ゆっくりとしたもので、数十年、数百年かかって群落面積を拡大しているとのこと。うかつに歩けない。 モス・キャンピオン Moss Campion(コケ・マンテマ) またはCushion Pinkという英語名を持つこの植物は、盛り上がってクッション状になったものがネット上では見ることができる。踏まれない場所ではそのような形に生育できるのであろう。ユーラシア、北米などのツウンドラ地帯、それより南のアルプスやロッキー山脈などの高山地帯に分布する常緑の多年草。北極を中心として分布する周極要素である。 |