ミゾハコベ Elatine traiandra (ミゾハコベ科 ミゾハコベ属)
 ミゾハコベは日本各地、朝鮮・中国からヨーロッパ、南米に生育する1年草。水田に生育する。完全に沈水状態でも生育でき、茎を伸ばして水面にでる。水位が低下すると茎の所々から根を出して地面にカーペット状に広がって生育する。葉は対生し、柔らかい。花は夏から秋にかけ、葉腋に微少な淡紅色の花を咲かせる。花弁は3枚。水中では閉鎖花を形成する。
 ミゾハコベは春から夏までは、水田の浅い水の中であざやかな緑色で水田の底を覆って生育していたが、稲刈りを迎えて水位が下がった水田では、ほんのりと紅葉し、カーペットのような文様を示しながら広がっていた。近づいてみると、小さな花とも果実とも見えるものがたくさん付いている。下側2枚の画像は10月の末に管理休耕田で撮影したものである。
 ミゾハコベは水田雑草であり、比較的ポピュラーな植物であるが、よく似た名前にミズハコベがある。ミズハコベもミズハコベに似た小さな植物であり、名前・姿とも似ているので混乱してしまう。ミズハコベは絶滅危惧種にも指定される植物であり、貴重品である。ミズハコベは花が白色であり、花は2数性である点で区別できる。
ミゾハコベミゾハコベはこんな大きさです。
秋のミゾハコベ(周辺はタネツケバナの芽生え)ミゾハコベの拡大(花)
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