イイギリ Idesia polycarpa (イイギリ科 イイギリ属) |
イイギリは本州・四国・九州・琉球の山地(暖温帯の上部?)にやや稀に生育する落葉高木。新宿御苑には高木が所々に生育しており、果実が鳥に運ばれるためか、関東の緑地や公園などには比較的よく生育している。葉の形や生育場所はアカメガシワに似ており、葉に花外蜜腺を持つ点も似ているが、類縁関係はかなり遠い。イイギリの花外蜜腺は葉柄の先端に1対あり、アカメガシワは葉の基部に一対ある。両者ともこれが基本であるが、若いイイギリの葉には、葉柄の中部にいくつかの花外蜜腺があり、若いアカメガシワには葉の縁にもたくさんの蜜腺がある。若木ではたくさんの蜜腺を備えている点も共通している。平行進化の例として面白い。 イイギリの葉は、若木では時にアカメガシワ状に3浅裂する兆しが見られるが、基本は卵心形。葉柄は赤色であるのが普通で、葉身とほぼ同長。長さは10〜20cm。花は5月に咲き、秋には直径8〜10mmの赤い液果を稔らせる。 |
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