ブラシノキ Callistemon speciosus (フトモモ科 ブラシノキ属)
 ブラシノキはオーストラリア原産の常緑小高木。5月から6月にかけ、まさに試験管ブラシのような花を咲かせる。前年枝に花がたくさん付いてこのような状態になるが、ブラシの毛に見えるものは雄しべの花糸であり、花弁や顎は開花後すぐに落ちるとのこと。花が開き始めると、雄しべの花糸がはじけ出そうに出てくる。なんともおもしろい花である。葉は堅く、革質で乾燥に強そうである。オーストラリアの半砂漠に生育していたものであることが伺える。
 花は昆虫が来訪してくれれば良いわけなので、花弁が美しい必要はない。ブラシノキの場合は、雄しべの花糸が紅色で虫を引きつける役割を担っている。オーストラリアや熱帯アメリカを中心に分布するフトモモ科の植物の花は、花糸がよく目立つ植物が多い。美しくはあるが、日本の植物とはあまりにも趣が異なっている。
ブラシノキブラシノキの花
咲き始めたつぼみ;緑のものが花弁?厚くて堅い革質の葉
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