フトモモ Syzygium jambos (フトモモ科 フトモモ属
 4月の中ごろ、大学の隣にある植物園の温室にフトモモの花が咲いていた。フトモモという科名はかなりインパクトのある名前であり、どのような植物か、対面してみたかった。「桃」に関するシンポジウムを開催することになっていたので、その意味でもフトモモ=太桃ということか、と勝手に理解して見たかったわけである。ネットでは、中国名の蒲桃に由来するのだそうだ。果実の中に桃のような核があるのであろうか。
 花は一目でフトモモ科であることがわかる。花弁は小さくて目立たないが、おしべの花糸が長くて美しい。他の種のように赤くて目立って南国風というより、おしとやかな感じがして好感が持てる。サガリバナネムノキのイメージである。葉は対生で、シンプルな被針形。透かしてみると透明点が見える。油点かもしれないと思うが、植物園の内なので揉んで見るわけにはいかなかった。科にはユーカリノキ属があるので、油である可能性は高い。
フトモモの花フトモモの花
ツボミフトモモの葉
葉裏から透かしてみた状態(透明点がある)フトモモの幹
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