セリバオウレン Coptis japonica (Thunb.) Makino var. dissecta (Yatabe) Nakai
 セリバオウレンは山地の林内に生える小形の多年草で、本州と四国に分布している。高さ10cmほどで小さい。葉はすべて根生し、2回3出複葉となり、セリの仲間の葉のようになる。早春に根茎から花茎を伸ばし、白い花を3つ程度つける。花を咲かすと共に新しい葉を展開し、落葉高木が展葉する前の強い日光を受け、効率の良い光合成を行なっているようである。
 早春の岡山県蒜山高原(標高約500m)を、新入生の一泊研修で訪れた。オリエンテーションを抜け出し、宿舎の近くの林を散歩していると、セリバオウレンが咲いていた。雪解け間もない落葉広葉樹林は、さんさんと日差しが降り注ぎ、暖かである。林内でショウジョウバカマはまだつぼみであり、カタクリも見当たらず、紅一点であった。落葉樹の展葉するまでの束の間の陽だまりは、林床の小さな植物が春を謳歌している。
セリバオウレンセリバオウレンの生育地
セリバオウレン葉の表セリバオウレン葉の裏
セリバオウレン生育状況セリバオウレン花茎

文章・画像:太田 謙
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