ミヤマシキミ Skimmia japonica Thunb. (ミカン科 ミヤマシキミ属) |
ミヤマシキミは本州の関東以西の山地に分布する常緑低木。葉に毒を含み、草食動物が食べないため、シカなど草食獣の多い場所では繁茂することがある。 幹は基本的に立ち上がり、匍匐しない。葉は全縁で、基部はくさび形、先端は鈍頭、長さ6-13cm、幅3-5cm。質感は典型的な皮革質で、つるつるしており、触っても葉脈がよくわからない。よく見ると油点が散在しており、日に透かしてみるとよくわかる。 ミヤマシキミは、シキミという名がついているが、シキミ科ではなく、ミカン科である。主幹がはっきりせず匍匐するハイミヤマシキミは、本種の多雪地への適応型と考えられている。下の写真は鹿児島県屋久島のミヤマシキミである。典型的なものに比べて、やや葉が長いかもしれない。奄美大島以南の琉球の常緑林内には、全体大型のリュウキュウミヤマシキミvar. lutchuensis Hatusimaが分布する。 |
文章・画像:太田 謙 |