ケルミシア・セミコルダータ Cermisia semicordata (キク科 ケルミシア属
 ケルミシア・セミコルダータは Large mountain daisy という英語名を持つニュージーランド南島固有の植物。最初に小さな個体に出会ったときは、葉の形からユリ科の植物を連想した。葉は平行脈に思え、単子葉植物に違いないというわけであった。大きく育ち、花を咲かせている姿を見ると、キク科であることを知り、驚愕することになる。

 氷河の末端、古いモレーンに点々と生育していた。葉の長さは50cmほどになる。厚くて質は堅く、皮革質の手触り。裏面は真っ白で白毛が密生している。葉は立つ傾向があり、強すぎる日照に対して白い裏面を晒しているようにも見える。花の画像は1月1日。結構大きくて大山デージーの名はふさわしい。このがっしりとした植物体は、砂礫地での貧栄養・乾燥に適応していると言いたいが、撮影地の年間降水量は4,100mmという豊かさであり、ほぼ250mmを下回る月はない。冬の積雪量はそれほどでもないという。残念ながら所詮旅人であって、風土を理解できていない。
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