ゴールデン・フリーベン Erigeron aureus  (キク科 ムカシヨモギ属)
 北米大陸のほとんどは堆積岩からできていると思うのだが、基盤岩の様子は場所によって当然異なる。ほぼ水平に堆積している状況から、荒々しく地層が褶曲している場所もある。森林限界を過ぎると傾斜の急な崖は地層の状況がよく分かって、地質屋さんは楽しいのではないかと思う。氷河が削った谷は急斜面の崖であり、上部から岩屑が落ちてきて谷底には礫質の場所が形成されるが、特に地層が立っている場所では岩屑の供給量が多く、ロックガーデンのような荒原が形成される。そのような場所にこのGolden Fleabane は生育していた。

 森林限界よりも高い地域の安定した礫の荒原。岩と岩の間に背丈の低いタンポポに似た花が咲いていた。キクの花には似たものが多くて同定に困ることが多いが、本種は総苞が紫色を帯びて毛におおわれている特徴があって、比較的同定しやすい。小さな葉しかないのに比較的大きな花を咲かせ、高山荒原では目立つ。
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