トゲヂシャ Lactuca serriola  (キク科 アキノノゲシ属
 山陰への出張からの帰り、岡山駅の在来線、駅の構内にアキノノゲシ属の植物と思われる植物が生育していた。線路の砕石の中、みすぼらしい姿で埃にまみれて薄汚れた帰化植物に見えた。線路に下りるわけにもいかず、手に取ることができなかったが、その後、岡山駅の構内で散見するようになり、定着したようであった。

 次に出会ったのは、駅近くの交差点。交通量の多い道路の中央分離帯とアスファルト舗装の境界に生育していた。さらには国道の交差点など点々、細々と生育が見られた。普通の土壌の場所には生育しておらず、この植物はアルカリ土壌地に生育しているのであろうと思われた。

 交通止めにしないと手にとることができそうにない場所ばかりに生育が見られたが、我が家がある赤磐市を通る高速道路の高架橋下に生育しているのに気がついた。安全な場所に車を止めて歩いてみると、結構たくさん生育していた。日照条件の良い南側よりも北側に多く生育しており、埃にまみれて薄汚れて見えたのは、うどん粉病に罹患しているからであった。アキノノゲシよりもうどん粉病に弱いわけで、アルカリ性の土壌地に生育することから、日本よりも乾燥した半砂漠的気候の場所が原産地と考えるべきであろう。

 英語名は prickly lettuce, China lettuce, wild lettuce, milk thistle, horse thistle, whip thistle, wild opium, compass plantなど、たくさんあるが、レタスの文字が多い。現在のレタスに最も近い植物だそうで、食用にするとか、薬用に使うなどの記載もある。thistle は葉に棘があるアザミを指し、色も美しさも違うが、両方ともキク科であることは違いない。原産地は北アフリカから地中海沿岸との記述がある。コンパス植物との名前は面白い。インターネットの中には葉を垂直に横にして東西方向を指している画像がある。私の見た個体も不明瞭ながら葉を太陽に直角に広げるのではなく、あたかも強すぎる日照を半減させるかの展開となっている。

 葉の形に関しては、鉾型のものとホソバアキノノゲシと同様な細長いものとがある。アキノノゲシに鉾型の葉のものとホソバアキノノゲシのような葉を付けるものとの二型があるのと対応しているように思う。

 葉の主脈の基部や茎の下部などに棘があり、それがトゲヂシャの名前の由来となっている。小生としてはアレチアキノノゲシなどの名前のほうがふさわしいと思うが、致し方ない。通常、植物を撮影するときにはかなり背景を気にする。この植物の撮影にはまったく背景を気にする必要は無かった。
高架下のアスファルトの継ぎ目に生育するトゲヂシャ鉾型の葉のトゲヂシャ
花は散在
細長い葉のトゲヂシャ鉾型の葉のトゲヂシャ
葉の表面葉の裏面
葉の主脈基部の棘葉の主脈基部の棘
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