ミヤマイボタ Ligustrum tschonoskii (モクセイ科 イボタノキ属
 ミヤマイボタは北海道・本州・四国・九州、樺太に分布する落葉低木。常緑広葉樹林帯の上部からブナ帯にかけて生育し、落葉広葉樹林内や林縁などに生育する。画像ではネズミモチによく似た印象があるが、葉にはつやがなく、野外では葉が尖ったイボタノキといった印象が強い。葉は薄くて卵状長蛇円形からひし形であり、裏面には毛がある。この個体では中脈上にのみ毛があるが、変異が多いそうである。花は6月から7月にかけて咲き、枝先に総状の花序を出す。イボタノキに比べて花数が多いが、これも変異が大きいとのこと。花の先端は4つに分かれ、筒部が裂片よりも長い。
 岡山県にはイボタノキの他、石灰岩地域でヤナギイボタが生育するが、ヤナギイボタは花の筒部が短く、雌しべの柱頭が花の外に飛び出る点で区別できる。
ミヤマイボタミヤマイボタの花
ミヤマイボタの葉(表面)ミヤマイボタの葉(裏面);中脈に毛がある
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