ツボミオオバコ Plantago virginica (オオバコ科 オオバコ属)
 ツボミオオバコは北アメリカ原産の帰化植物である。比較的新しく帰化した植物であり、広く分布したのはここ20年ほどではないかと思う。路傍などにも生育するが、特に新しい公園でよくめだつ。オオバコよりも、乾燥した立地にも生育できる。一年生の草本であり、春から夏にかけて花穂を形成する。和名は、花が開かず、いつまでもつぼみのままのように見えるとの意味である。条件の良い場所では葉の長さは10cmほどになるが、多くは非常に小さなままで花茎を形成する。2枚目(右)の画像では、直径2cmほどのロゼットの個体が花茎を形成している。一年生草本であるので、まずは子孫を確保する戦略をとっている。

 ここまでの文章は2001年の夏時点のものであった。その後ツボミオオバコは通常見られる雑草としてて定着した。春も遅くなると春草に埋もれて花穂だけが目立つといった状態になる。侵入初期の裸地における小型の群生とは趣が異なって、かなり大きくなったものが見られるようになった。生態学会の中国四国地区海では、侵入初期には小型であるがやがて大きな個体が増えてくる、という報告があったように記憶している。

 サイトの中には草丈が花穂を含めて50cmという記述もあるが、それほどのものは見たことはないものの。30cm級はざらではないかと思える。ツボミオオバコは閉鎖花で自家受精して種子を形成するが、花粉を出している系統もあり、様々な系統があって不思議ではない。荒地で小型のまま生育する戦略から、ある程度の草丈の草地でも生育できるよう、戦略を変えたのではないかとも思うが定かではない(2013/05/14)。
ツボミオオバコ Plantago virginica
中型サイズの個体かなり大きい固体
かなり大きい固体小さいが花穂が長い状況
これは小さいぞ!最小クラス
閉鎖花と思われるもの雄しべを出しているもの
ツボミオオバコの葉裏面の拡大
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