イチヤクソウ Pyrola japnica (イチヤクソウ科 イチヤクソウ属)
 イチヤクソウは北海道〜九州、朝鮮・中国に分布する多年草。明るいマツ林や落葉広葉樹林中に生育する。常緑であり、やや厚い葉を根生する。葉脈の部分の緑色が薄く、模様になっているのが特徴で、おぼえやすい葉である。6月から7月にかけ、花茎を伸ばして5こ前後の花を付ける。花は白色で直径13mm程度。花弁は5枚、雄しべはたくさんあり、雌しべはこれより飛び出して湾曲している。果実は開花時にも残っており、先端に花柱がそのままの形で残っている。種子の形成にずいぶんと長い年月をかけている。このためか、1つの株は、毎年花を付けることは少ないようで、開花している個体を見ることはやや少ない。イチヤクソウの仲間は腐生性であるものが多く、イチヤクソウもそのような傾向があるといわれている。
 イチヤクソウは「一薬草」であるそうで、薬草として優れているという意味らしい。薬草関係の本で調べてみると、利尿剤として薬効があり、中国では避妊薬としても使われるとのこと。
イチヤクソウイチヤクソウの花序
イチヤクソウの花イチヤクソウの実
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