クロキ Symplocos lucida (ハイノキ科 ハイノキ属
 クロキは本州の関東地方以西、四国、九州、沖縄に分布する常緑の小高木。シイ林域の沿岸域に生育する種であるが、岡山県と兵庫県には分布が確認されていなかった。このような分布から、温暖・乾燥を特徴とする瀬戸内海気候地域においては、気温は十分であっても乾燥する場所では生育できないものと考えられる(岡山県では2008年に小畠氏によって生育が確認された)。
 樹皮は黒褐色であり、和名の由来となっている。葉は長さ4〜7cmで縁には波状の鋸歯がまばらにある。3〜4月に白い花を咲かせ、秋に果実は黒く熟す。常緑樹の葉は似たものが多く、特に幼樹は区別しにくいことが多い。岡山の県北の高冷地におけるアセスメントでクロキが報告され、大問題になったことがあった。クロキは沿岸域の温暖な地に生育することを知っておれば、そのようなことはなかったと思うが、常緑樹の稚樹の同定の難しさを示している。
 クロキの幼い個体の葉は成木に比べて丸く、鋸歯が顕著である。小さな個体はとても同じ植物とは思えないので注意が必要である。
クロキ Symplocos lucida;秋吉台クロキ Symplocos lucida
クロキの花(島根県玉造 3月10日)クロキの花
クロキの花クロキの花
若いクロキの果実若いクロキの果実
クロキの果実クロキの果実
クロキの稚樹クロキの稚樹
クロキの葉クロキの葉(裏面)
鋸歯のある葉の裏面拡大鋸歯が低い葉の裏面拡大
枝の先端の芽若い個体の樹皮
樹皮成木の樹皮
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