アオノリュウゼツラン Anave americana (リュウゼツラン科 リュウゼツラン属
 アオノリュウゼツランはメキシコ原産の多年草。熱帯で広く栽培されているリュウゼツランの母種であり、英名は American Aloe または Century Plant 英名からすると、アロエとはこのような植物のイメージなのであろうか。Century Plantを訳すと百年植物ということになるが、開花は50年ほどとのこと。50年ほど生長し、巨大な花を咲かせて親株は枯死するので、草本ということになる。2階の高さにまで達する巨大な花序は時折マスコミで話題となる。一度見てみたいと思っていたが、新宿御苑で果実が出来始めの花序をみることができた。下ばかり見て歩いていたら、記念写真の撮影を依頼されて、花が咲いているのに気が付いた次第。
 アオノリュウゼツランの大きさは、このサイズの画像では表しにくい。葉も巨大であり、幅は20cm近くあろうか。厚くて棘があり、近寄りがたい。茎の部分は貯蔵組織となっており、葉を取り去って砕き、テキーラの醸造に使用するという。乾燥するメキシコなどの砂漠地帯でほ乳類からの摂食を免れるための、1つの戦略である。原産地もかなり気温は低下するのであろうか、暖地では屋外でも十分越冬する。以前は学校の校庭などによく植栽されていたが、近年は見かけることが少なくなった。立派な棘が嫌われたのであろうか。
アオノリュウゼツランの花序アオノリュウゼツランの株
若い果実葉の縁:鋭い丈夫な棘がある

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