イトイヌノハナヒゲ Rhynchospora faberi (カヤツリグサ科 ミカヅキグサ属
 イトイヌノハナヒゲは北海道から九州、朝鮮・中国・ウスリーに分布する多年草。主に丘陵地帯の湿地に生育する。鉱物質土壌であり、持続的な侵食傾向の立地に生育することが多い。草丈は30cm以下であることが多く、高さ5cmほどでも開花・結実する。花穂は7月ころから形成され、いくつかの分花序ができる。ひとつの分花序の小穂数は少なく、数個であることが多い。種子は広倒卵形からレンズ状であり、長さ1.5〜2mm。長さに比べて幅がやや狭い程度。したがって小穂もやや他種に比べて幅が広い。
 この仲間は良く似ているものが多く、種子を高倍率で観察しなければ同定が困難であることが多いが、イトイヌノハナヒゲは小型で直立し、分花序の小穂数が少なく、分花序のつく場所で花茎がジグザグに曲がる傾向があることで、形態的には区別できる。


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