アオコウガイゼキショウ Juncus papillosus (イグサ科 イグサ属
 アオコウガイゼキショウは北海道から九州、朝鮮・中国・東シベリアに分布する多年草。湿原や沼沢地などの、やや貧栄養・過湿なな立地に生育する。和名は青コウガイゼキショウである。青は現在の緑色であり、緑色のコウガイゼキショウという意味になる。他のコウガイゼキショウの仲間が暗緑色であることが多いので、薄い緑色であるコウガイゼキショウをこのように呼んだものと思われる。秋には赤みを帯び、特に果実が赤みを帯びてアカコウガイゼキショウと呼びたくなる。
 コウガイゼキショウの仲間は分類が困難であるが、本種は明瞭な地下茎を持ち、その先端が膨らんで次年度の球芽となる点で、夏以降は比較的簡単に同定ができる。アオコウガイゼキショウの地下茎は波打った形となり、長くても5cmほど。上の画像では、一部の地下茎から新芽が出ており、地下茎の所々から新しい地上部を形成することがわかる。ただし、このような例は多くはない。種子と共に、このような地下茎によって分布を拡大する能力がある。
アオコウガイゼキショウの花序アオコウガイゼキショウの花序
アオコウガイゼキショウの果波打った地下茎
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