クロウタドリ Turdus merula (ツグミ科 ツグミ属)
 ニュージーランドのマウント・クック国立公園のホテル。食事をしているとガラス越しの芝生に黒い鳥が頻繁に飛来してくるのに気づいた。ハエなどを捕まえている。芝生にも虫はいるのだが、窓ガラスに衝突したハエは格好の獲物となっている。数匹を捕まえるとどこかに飛んでいく。おそらく雛を育てているに違いない。

 大量の虫を捕まえているので、この鳥がいるといないとではハエの密度にも違いが出るであろう、ホテルの環境維持に貢献しているはず。外を散策すると鳥の囀りが聞こえる。聞きほれるほどの美声で、この声の持ち主がハエを捕まえている黒い鳥であることに気づくには少々の時間が必要であった。

 名前は簡単にわかった。鳥好きの人に「黒い美声の鳥」と聞けば、すぐに「クロウタドリ」という答えが返ってくる。それほど有名な鳥であったのだ。もう少しじっくりと観察すればよかったと反省である。ニュージーランドのクロウタドリは美声がゆえに連れてこられたものだそうだ。原産地はヨーロッパから中近東、中央アジア、中国南東部など。日本にもときおりやってくるとのこと。英語名はBlackbird。
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