アカウキクサ Azolla imbricata (アカウキクサ科 アカウキクサ属)



 アカウキクサは本州の東京都と東海地方以西の暖地、四国、九州、南西諸島から朝鮮半島、中国、台湾、インドなどに分布する、水面を浮遊する小型のシダ植物である。水田、水路、池沼に群生し、繁殖力は非常に盛んである。ため池の流入部をマット状に覆う水草が目につき、近寄ってみると本種であった。イネにとっては害草とされ、たしかにこれだけ増えるとちょっと考え物だ。こんなに繁殖力の旺盛な本種も、農薬には歯が立たず、圃場整備など、近年の農業形態の変革にはついて行けなかった様で、環境省RDBに掲載されるほど少なくなっている。本種によく似るオオアカウキクサは、より大柄で根に細根が無い点で区別される。浮遊性のシダ植物はこれらのほかにサンショウモがある。
アカウキクサため池にマット状に群生

アカウキクサアカウキクサの根と根毛

(画像・文章:森定 伸)

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