ミツデウラボシ Crypsinus hastatus (ウラボシ科 ミツデウラボシ属) |
ミツデウラボシは常緑のシダ植物。ウラボシ科のシダは葉の裏面に大きくて明瞭な胞子嚢を持つ。これが裏星であり、葉が3つに分かれるので、ミツデウラボシとなる。名前がよく関連している植物の1つで、憶えやすい。しかしながら最初から3つに分かれているわけではなく、最初は丸く、やがて細長い1枚葉になり、生長できると3つに分かれた葉になる。 花崗岩地域の広島で育った私には、ミツデウラボシは見慣れたシダであった。沿岸域の岩盤が露出したり、風化花崗岩の露出した急傾斜の崖などによく生育しており、乾燥した場所であることが多い。かなり乾燥にも強いのであろう。最近見ることが少なくなったのは、フレッシュな山道の切り通しが少なくなったためであろう。法面が安定して遷移が進行すると他の植物に席を譲らざるを得ないのは、そのサイズのためでもある。 |