ノキシノブ Lepisorus thunbergianus (ウラボシ科 ノキシノブ属) |
ノキシノブは北海道南部以南の日本各地、朝鮮・中国・台湾・フィリピンなどに分布する常緑性のシダ植物。和名は家の軒先に生育し、土が無くても堪え忍ぶという意味。大樹の樹皮や崖、傾斜が急な場所の地表などに生育する。長期間乾燥すると葉は内側に巻いて細くなってよれてしまう。乾燥への対応である。葉は長さ12-30cm。先端側も基部へ向かっても細くなる。胞子嚢群は中肋と辺縁の中間に付く。 ノキシノブが地表に生育する場合は、傾斜が急であって、表面に土砂がたまらないような場所であり、ウバメガシ林の地表にもよく生育している。このような場所では土壌が形成されておらず、地表には「不完全地衣類」が生育していることも多い。樹幹にしろ、崖にしろ、降雨時にはたっぷりと水を吸い、湿っているわずかな期間だけに光合成を行い、後はひたすら堪え忍ぶ生活である。 |