平成20年4月19日、26日の土曜日に、岡山理科大学構内で生育、植栽している植物をモチーフに、春の植物画教室を行いました。参加者は32名で一般の方だけでなく、学内からも参加がありました。また、新聞募集を見て参加された方もおられました。回を重ねるごとに新たなメンバーが増えている感じがしています。

 1日目(4月19日)は、会場に参加者が集合した後、西本先生を先頭に構内へ移動しました。この時期、サクラはすっかり散ってもう終わりです。モチーフには、サクラ以外のものを探すことになりました。岡山理大はもともと山だったところに建っていますので、モチーフには事欠きません。植栽されたモチツツジも満開でした。
 まずは、21号館前の坂を下りました。水質管理センター前には、「アワボスゲ」があります。21号館6F星野研究室が研究している「スゲ」です。たまたまこの場所に自生しています。何人かの方がスゲについて質問されていました。7号館脇には「シャガ」が群生しています。あらかじめ採取しておきましたが、もうちょっと欲しいという方が斜面を登りました。守衛室前では、「クサイチゴ」が咲いていました。トゲがあるので持ちにくいのですが、姿がかわいいので人気でした。
 


 持ち帰られた植物は、会場の生物学実験室で水入れに入れられました。次に、モチーフとなる植物を決め、描く方向を決めます。オアシスというスポンジを使えば、望みの方向や向きを保つことが出来ます。また、それぞれの植物のカラー写真をあらかじめ配布しました。これは、来週までモチーフがそのままの状態である可能性が低いためです。来週は、色塗りなので色が特に重要になってきます。
 


 初めて参加される方のために、西本先生がスケッチのコツを紹介。まずは、モチーフとなる植物をじっくり観察します。花弁の数、おしべとめしべの数と位置関係、葉の形と大きさなどなど。その次に、それぞれのパーツのバランスをとります。このとき、ディバイダーという道具を使います。ディバイダーは、コンパスに似ていますが、その先端は2本とも針になっています。これを使ってほぼ実物大でスケッチすると、やりやすいようです。
 


 長時間スケッチをしていると植物がだんだんしおれてきたり、枝が曲がってきます。なるべく採取したての状態を記録するのが大事です。また、描く方向が一定でなければバランスがとれません。何度も参加されている方はさすがにこのことをよくご存じで一定のリズムでスケッチを仕上げていました。
 

今回モチーフとなった植物
アメリカハナミズキ、クサイチゴ、シャガ、セイヨウカラシナ、ヤブツバキ、ヤマツツジ、モチツツジなど。
 


 第二回目(4月26日)は彩色を行いました。先週モチーフとした植物が、今週すでに枯れていたりして手に入れられない方はプリントの写真を参考に色つけをしました。ご自分のパレットをお持ちいただけた方はそのまま家で続きをすることができます。西本先生は、毎回1人1人の絵を見て、ご意見を下さいます。参加者の皆さんは、一心に耳を傾けられます。少し色をつけていただいた参加者の方は、「ちょっとだけ直したもらっただけなのに、すごく良くなった」と話されていました。


 観察会終了時に、作品を提出していただきました。提出していただいた作品は、西本先生が型紙の額をつけてお返ししています。作品が生きてきます。

 完成した作品一覧はこちらです。


<西本先生情報>
●西本先生のブログ「花の絵日記」:新聞掲載の線画の他、指導教室の情報があります。
http://blog.hananoe.net/