平成21年4月11日、18日の土曜日に春の植物画教室を行いました。参加者は、小学生からおじいちゃん、おばあちゃんまで計28名が参加して下さいました。参加されるためには、電話などで植物園事務室へ連絡していただいておりますが、参加者募集の初日に募集人数がほぼいっぱいになってしまうこともしばしばです。
 今回の植物画教室では、自然に生えている身近な植物を描こうということで、岡山理大構内に生育している植物からモチーフを選ぶことにしました。一見、緑の葉ばかりに見えますが、ゆっくり歩けばピンク色、黄色、赤色、白色と小さな花がたくさん咲いています。また、モミジは秋に紅葉した葉を見る植物と決めてかかってしまいがちですが、春も可憐な花をしっかり咲かせており、参加者の方々に驚きと感動を与えてくれました。外に出る時には、少量の水を入れたビニール袋を持って行きましたので、その中にモチーフ候補をどんどん入れていきました。中には、採取したらすぐにしおれてしまう種類もあるのでモチーフ候補は多い方が良いかもしれません。

 
 教室に戻り、描く角度を決めます。今回は、カラスノエンドウとスズメノエンドウをモチーフにされた方が多かったようです。参加者の方によれば、カラスノエンドウならご自宅の周囲にたくさんあるので形や色が新鮮なままいつでも見ることができるとのことでした。確かに何度でも描くことができそうです。さらに良いのは、カラスノエンドウはなかなかしおれないことです。
 今回初めて、教室に実体顕微鏡を1台を用意しました。モチーフの細かい構造を見るためです。いつもは、ルーペだけで観察していただいておりましたが、実体顕微鏡があれば両眼で楽に見ることができました。

 2日目(4月18日)は、教室にこもって彩色です。モチーフは新鮮なものが良いとのことで、参加者の方は植物画教室が始まる前に来られ、ご自分でモチーフを採取されていました。ヤマザクラを選ばれた方は少し大変でした。1日目の段階ですでに散り始めていたので、ご自宅から持ってこられた方に分けていただいていました。
 西本先生による彩色を参考に、色をつくることから始めます。絵の具の色の名前は、「プルシャンブルー」「オペラ」「カーマイン」などおしゃれな名前がたくさんあります。参加者の方の中には、もう年なので覚えられない〜といわれる方もおられました。一見、同じ色のように見えますが、水を含ませて薄くのばすとその色の違いがわかりやすくなります。
 

今回モチーフとなった植物
カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、コバノミツバツツジ、ヤマザクラ、カスミザクラなど。




 観察会終了時に、作品を提出していただきました。提出していただいた作品は、西本先生が型紙の額をつけてお返ししています。作品が生きてきます。

 完成した作品一覧はこちらです。

<西本先生情報>
●西本先生のブログ「花の絵日記」:新聞掲載の線画の他、指導教室の情報があります。
http://blog.hananoe.net/