平成21年10月31日、11月7日の土曜日、秋の植物画教室を行いました。参加者は30名。開催日の前後は天気がぐずつき、観察会の天候が心配でしたが、当日はやや汗ばむ陽気となりました。

 当日の天気を気にしていたのは、今回のモチーフ採取のためです。1日目のスケッチ用のモチーフは、11号館図書館の周辺に生育している木や草を参加者の方に採取していただきました。ちょうど、実のなる頃です。11号館図書館と喫茶の下では、ハナミズキの鮮やかな赤い実が参加者の方々を出迎え喜ばせていました。また、終わりかけでしたが、ギンモクセイの甘い香りも周囲に広がっていました。

 山道とはいえ、少し傾斜のあるところを登りながらの採取でしたので、参加者の方はハイキングのようで楽しいとか明日は筋肉痛になりそうなどいろいろお話が弾んでいました。西本先生もご一緒していただき、描きやすいモチーフやそれぞれの植物の特徴をお話下さいました。今回も、外に出る時には、少量の水を入れたビニール袋を持って行きました。その中に、モチーフ候補をどんどん入れていきました。ハナミズキの赤い実だけでなく、ナナミノキ、やさしい薄紫色のヤブムラサキ、照りのあるヤブニッケイの黒い実など、皆さんの目を楽しませてくれました。(今回は、岡山大学半田山自然教育研究林を利用させていただきました。)



 
 教室に戻り、描く角度を決めます。今回は、ハナミズキをモチーフにされた方が多かったように思います。西本先生によると、ハナミズキは枝を切っても水につけておけば長持ちしやすいとのことで、ご自宅でも続けてスケッチするには適当だとのことでした。書きやすさとモチーフがしおれるまでの時間は、やはり重要です。ご自宅に植栽しているからと、いうことでヤブムラサキを選ばれた方もおられました。皆さんは、西本先生から個別の指導を受け、残りは来週までの宿題としました。

 2日目(11月7日)は、教室で彩色する日でした。モチーフは新鮮なものが良いので、植物園のスタッフがあらかじめ先週採取した植物を集めておきました。皆さんには、良い枝を切っていただきました。彩色は、あまり聞きなじみのない絵の具がたくさんあります。同じ色に見えても、水で薄めてのばせばその違いに驚きます。西本先生がホワイトボードに使用する絵の具の名前を書き出してくださいますので、それに従って皆さんは進めていきました。
 今回は、10名ほどの方が初めてご参加下さいました。1日目は、初めての参加であることに少し不安を感じておられましたが、周りの方々とのふれあいや西本先生のご指導の丁寧さに感激しておいででした。
 

 観察会終了時に、作品を提出していただきました。提出していただいた作品は、西本先生が型紙の額をつけてお返ししています。作品が生きてきます。

 完成した作品一覧はこちらです。

<西本先生情報>
●西本先生のブログ「花の絵日記」:新聞掲載の線画の他、指導教室の情報があります。
http://blog.hananoe.net/