自然植物園では、平成23年10月15日、22日の土曜日に「秋の植物画教室」を行いました。参加者は27名(2日目は24名)、うち2割は初めてのご参加の方々でした。毎回お知らせしておりますが、この観察会は初心者の方大歓迎です。むしろ、初心者の方対象です。西本先生も毎回初心者の方向けに解説して下さいます。安心してご参加ください。ただ、人気の観察会ですので、申込はお早めにお願いいたします。

 今回の植物画教室のモチーフは、開催場所の岡山理科大学21号館前の坂道を下って自転車置き場までの間で見つけることにしました。今年の春の植物画教室でも21号館周辺から探しましたが、秋は秋らしい植物がたくさんあります。秋は花というより実がメインです。今回の目玉はこれぞ秋の”カキ(渋)”です。観察会開催日前に下見をした際に、西本先生が「なんで今まで書いてなかったの??」と不思議がるほど秋らしい植物です。これまでモチーフにならなかったのは、斜面に生えている上、意外と木が大きく取るのが難しかったこともあると思います。当日は高枝切りバサミがないと採集は大変危険でした。その他、アメリカヤマボウシ、ノブドウ、アラカシの実をモチーフに選ばれる方が多い様でした。

 集合場所の教室に戻り、モチーフの位置を決めます。ちょうど目線の高さに合う様にモチーフはあまり下向きにならないようにセットします。枝を短く切ってしまった場合はティッシュの箱や鉢を水入れの下に敷くと目線の高さになります。この水入れですが、本来の使用目的は冷蔵庫の調味料(ドレッシングやマヨネーズ、からしなど)を入れる道具だそうです。西本先生直々に100円ショップで見つけて下さった便利グッズです。このように西本先生は専用の道具でなくても代用できるグッズを身近の物の中から探されます。以前はモチーフの固定に洗濯バサミを使われていました。さて、教室に戻った皆さんは早速スケッチ開始です。常連の方は手慣れた様子でディバイダーを使われます。もう一度書き方を復習したい方や初参加の方は前の教卓で西本先生から書き方を教わりました。その後、終了時間いっぱいまでスケッチを進め、1人1人に西本先生が指導して下さりました。
  

 2日目(10月22日)は、先週宿題となったスケッチの彩色です。なかには1枚だけでなく、2枚以上書いてきてくださった方もおられました。初めに西本先生から彩色の基本と注意点の説明がありました。この説明はスケッチの時と同様、教卓で教えて下さいますが、彩色はやり直しがきかないので取りかかりが難しいと思います。西本先生は皆さんの目の前で最初の一筆をどこにすべきか、どの色の組み合わせが良いかなど細かいところから丁寧に説明されます。しかも毎回、彩色されたモチーフの植物画を持ってきて下さいますので、皆さんは参考にされます。この植物画は毎回この観察会のために描かれる貴重なものです。
 初めての方も説明を伺い、安心した様に彩色をはじめられました。不安になっても、西本先生が丁寧に指導して下さいます。モチーフごとに”ここだけはどうしても譲れない”ポイントがあり、そこを押さえればバッチリです。今回も時間いっぱいまで彩色し、皆さんそれぞれ秋らしい植物画が完成しました。
  

○今回モチーフとなった植物
カキ、アメリカヤマボウシ、ノブドウ、キンモクセイ、アラカシ(ドングリ)など。

 観察会終了時に、作品を提出していただきました。提出していただいた作品は、西本先生が型紙の額をつけてお返ししています。

 完成した作品一覧はこちらへ。

<西本先生情報>
●西本先生のブログ「花の絵日記」:新聞掲載の線画の他、指導教室の情報があります。
http://blog.hananoe.net/