自然植物園では、平成24年4月21日、28日の土曜日に「春の植物画教室」を行いました。参加者は30名、うち2割は初めてのご参加の方々でした。前日まで雲行きが怪しく、せっかくの春の植物画教室が雨かも?と思っていましたが、開催時間頃には晴れ間が見え始め、スタッフ一同ホッとしました。

 今回の植物画教室のモチーフは、開催場所の岡山理科大学正面玄関近くの小道から高校の脇をすり抜け、21号館に戻ってくるコースから探すことにしました。春なので、草本類が元気です。ちょうどカスミザクラは終わり、ヤエザクラが開き始めた頃でした。最初、一同の目を引いたのは、美しい花!ではなくワラビでした。斜面一面にワラビが伸びており、食べるには時期が遅かったのですが、とりあえず1本、また1本と採取しました。そして、ハナニラの白色がとても目立っていました。また、カラスノエンドウの赤紫色も人気でした。カラスノエンドウは、草取りする側にとってはやっかいな種類で、何度引き抜いてもすぐに次が出てきます。いくらでも採取していただきたい種類の1つです。
 
高校側に移動すると、数は少ないながらコナラにアケビが巻き付き、花を咲かせていました。アケビは、つい秋の時期の実を思い出すのですが、花の時期も楽しめます。イモカタバミは、ピンク色の可憐な花をつけますが、根から引き抜いてもすぐに花が閉じてしまうので植物画のモチーフとする場合には注意が必要です。

 21号館4階に戻り、採取したモチーフがしおれないうちに吸水したスポンジ(商品名:オアシス)に差します。ちなみにオアシスは、100円ショップで入手することができます。モチーフは、採取した時の生えている状態を再現できるように花や葉の向きに気をつける必要があります。また、描き始める前にそのモチーフの形態の特徴を観察します。植物の分類では、おしべの数や葉の配列で種が区別されるので、採取した植物の観察は重要です。必要があれば、図鑑で確認することもあります。
 

 2日目(4月28日)は、先週宿題となったスケッチの彩色です。まず、何色から、どこから彩色すべきかが問題となります。まずは、西本先生から初心者の方々対象に塗り方レッスンがありますのでご安心ください。薄い色を塗り重ねて色を濃くするのですが、乾く前に次の色を塗ると、色が濁ってしまいます。なるべく、乾く間に他の箇所を塗るようにします。西本先生はドライヤーを使われることもあるそうです。この彩色の説明は、何度も参加されている方も来られます。色の作成がなかなか難しく、目の前の花の色を表現するのにどの絵の具を組み合わせたら良いかはやはり西本先生に伺うしかありません。パレットを持参された方は、そのまま絵の具を持ち帰ることができます。この時間内で完成された方には提出いただきました。
 

○今回モチーフとなった植物
クサイチゴ、ハナニラ、カラスノエンドウ、コバノミツバツツジ、セイヨウタンポポ、イモカタバミ、ミツバアケビ(花)、コナラなど。

完成した作品一覧はこちらへ。

<西本先生情報>
●西本先生のブログ「花の絵日記」:新聞掲載の線画の他、指導教室の情報があります。
http://blog.hananoe.net/