自然植物園では、平成24年10月13日(土)、20日(土)に「秋の植物画教室」を行いました。参加者は19名、一般の方、初めてご参加の方、学生さんの参加もありました。学生さんは、生物学実験の講義で初めて西本先生の指導を受け、もう一度、植物画を学びたいとのことでの参加でした。
今回の植物画教室のモチーフは、秋という季節柄、花というより実を中心に探すことにしました。集合場所の21号館4階から正門のある大学正面玄関へ向かい、駐車場までの往復の間にある木本類の実を探してみました。エレベーターを降りてすぐの通路脇にムクノキ、道路脇には、アメリカハナミズキの赤い実、アメリカフウのトゲトゲの実を見ながら進み、アベマキのドングリ、サンゴジュ、キリの大きな房を中心に採集して戻りました。アメリカフウの実もモチーフの候補に挙がっていたのですが、高枝切り鋏を最大に伸ばし、つま先立ちをしてやっと取れたと思ったら、実が枝からポロリ・・・時期が遅かったようです。手伝って下さった方、ありがとうございました。
一番人気だったのが、取り放題のサンゴジュです。直径5mmほどの小さな赤い実がぎっしり集まり、なかなかの迫力です。切り取った枝は細く、実の房が垂れ下がるほどでした。終わりかけのクサギの実は青色と赤紫色の対比がはっきりしており人気でしたが、こちらも終わりかけでした。
21号館4階生物学実験室に戻り、採取したモチーフがしおれないうちに吸水したスポンジ(商品名:オアシス、100円均一で販売しています)に差します。スポンジを固定している水入れは西本先生がこれまた100円均一で見つけてくださった逸品で、本来は、冷蔵庫の中で調味料を立てて置くものだそうです。
実際に現地で生えていた方向にモチーフをオアシスに刺して、スケッチ開始です。ドングリが上向きにつくことはないので、方向を見極めます。スケッチは次回までの宿題となります。
2日目(10月20日)は、先週宿題となったスケッチの彩色です。西本先生の到着を待つ皆さんは、お互いの植物画のできばえを楽しくおしゃべりされていました。彩色は、いきなり濃い色をべたっと塗るのではなく、薄い色を塗り重ねて濃い色にしていきます。西本先生の彩色の説明によると、彩色の方法には、平塗り、ぼかし塗り、重ね塗り、白抜き(塗り残し)、洗い落としの5種類があります。白い部分は白色を塗るのではなく、元の紙の白色を残すということになります。説明の後、初心者の方を対象にした彩色方法の指導があります。何度も通われている方は、各自彩色を進めるように説明がありますが、ほぼ全員の方が復習も兼ねて説明を受けられます。これは、西本先生の筆さばきもさることながら、毎回モチーフが変わることもあると思います。ご自分と同じモチーフであれば尚更どのような手順で、何色を塗りはじめるのかは、迷ってしまいます。
スケッチの段階では、間違った部分を消しゴムで消すことが出来ます。彩色は、多少の修正ができるとはいえ、なかなか手間がかかり、紙も傷めます。西本先生からの直接指導を受けながら、彩色を進めていきました。
○今回モチーフとなった植物
ムクノキ、アメリカハナミズキ、アメリカフウ、アベマキ、サンゴジュ、クサギ、キリなど。
完成した作品一覧はこちらへ。
<西本先生情報>
●西本先生のブログ「花の絵日記」:新聞掲載の線画の他、指導教室の情報があります。
http://blog.hananoe.net/
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