自然植物園では、平成25年6月22日、29日の土曜日に2回連続で「春の植物画教室」を行いました。参加者は27名、そのうち2名は学生さん、5名は初めてのご参加の方でした。ちょうど梅雨の時期に入り天気が心配されましたが、当日は晴れ間が見られ、外を歩くにはちょうど良くて助かりました。
 今回の植物画教室のモチーフは、開催場所の生物学実験室のある21号館前の坂道を下り、階段を登り、また戻るコースにしました。「春の・・」とはいえ、6月下旬ですのでこれまでの開催時期と1ヶ月ほど遅い時期です。そのため、同じ種類でも花や実の状態が異なります。同じ種類の花と実を描くのも楽しいと思います。まずは、21号館を出て右手にキョウチクトウが濃いピンク色の花を派手に咲かせています。ウバメガシの生け垣にはノブドウが被さり花をつけはじめています。7号館まで下ると、ヤマモモが実をつけています。採取した1週目は、まだ完全に熟していなかったので緑色から赤色に変わる色の変化がとても美しく、今回1番の人気でした。ヤマモモの脇にはハナゾノツクバネウツギの生け垣があります。ハナゾノツクバネウツギの小さな花も咲いていました。その花弁の薄桃色とヤマモモの赤色の対比が見事でした。7号館から階段を登る途中にはカキが小さな実をつけています。濃い緑色の葉に埋もれた黄緑色の小さな実はとてもかわいらしいものでした。
  
 21号館生物学実験室に戻り、モチーフを固定します。固定する位置は、野外で咲いているように葉の向きに気をつけます。オアシスという専用のスポンジに水を含ませて差します。こちらは100円均一のお店で購入できます。植物画教室でお渡しするのは、小さいですが、元はその10倍ほど大きいものです。位置が決まれば、スケッチをはじめます。ディバイダーという針だけのコンパスを使い、正確に長さを取り、用紙にうつしていきます。測るときは「いつも同じ目線から」が大事です。ズレると、最終的に線と線がつながらなくなるので注意が必要です。

 2日目(6月28日)は、ご自宅で完成して持ってきていただいたスケッチに色づけをします。水彩絵の具とパレット、筆はこちらで用意します。ただ、パレットを持ってこられますと教室時間内で使用した絵の具をそのまま持ち帰ることができるため、ご持参をおすすめしております。
  
 何度も教室に来られている方はさっそく色づけをはじめられます。初めての方、またはもう一度確認されたい方は前の教卓で絵の具の出し方から塗り方までを学びます。残りの時間は、個人作業となります。西本先生も言われていましたが、集中すると
2時間が限度だそうです。皆さんは、うまく休憩を挟みながら、休憩中に周りの皆さんの作品を参考にしながら筆を進めていきます。西本先生は11人横について、または筆をとられて丁寧に指導してくださいます。最後に時間内に完成された方は作品を提出いただいて終わりとなりました。提出いただいた作品は、後日、裏に額縁のようになる台紙をつけてお返ししております。また、その作品は植物園のホームページにもアップしておりますので、これまでの作品とあわせてお楽しみください。
  

○今回モチーフとなった植物○
  
キョウチクトウ、ノブドウ、カキノキ、ノアザミ、ヤマモモ、ハナゾノツクバネウツギ、ヒイラギナンテンなど。

完成した作品一覧はこちらへ。


<西本先生情報>
●西本先生のブログ「花の絵日記」:新聞掲載の線画の他、指導教室の情報があります。
http://blog.hananoe.net/