イノモトソウ Pteris multifida Poir.

　イノモトソウ科 Pteridaceae

イノモトソウは人里近くの山地に普通に見られる常緑性のシダである．岡山理大の自然植物園でも人工の山道脇に群生しているのが美しい．葉の幅は狭く，0.5-1cm．近縁種には「ヒメイノモトソウ」や「キドイノモトソウ」がある．これらとは葉の中軸に明瞭な翼があることで区別できる．基部の鱗片は黒褐色．

和名「イノモトソウ」は「井の許草」と書き，井戸のそばでよく見られることからつけられた．このことからも人里近くでよく見られる植物だったことがわかる．園芸品種として「プテリス」という名で売り出しているのも見られる．

日本には北海道を除く，本州（東北地方南部）〜四国，九州，琉球地方まで分布している．