岡山理科大学自然植物園


イタビカズラ
Ficus sarmentosa Roxb.var.nipponica (Franch. et Sav.) Corner

 クワ科 Moraceae

イタビカズラは山地の岩場や林内に生える常緑のつる性植物である.雌雄異株.イタビカズラ自体が太い幹を持って立ち上がって生えていることはなく,たいていは他の木や岩を這うようにして生育している.これは和名「イタビカズラ」の「カズラ」部分に現れている.近縁種には「ヒメイタビ」と「オオイタビ」がある.これらとは葉が細長いこと,果嚢が1cmと小さいことで区別できる.

また,イタビカズラは「イチジク」や「ビワ」の仲間である.これは実の形と茎をおったときに出るべたべたした白い液体をみれば納得できる.

日本には本州中部〜四国,九州,琉球地方に分布している.比較的暖かいところを中心に生育が見られる.

Coll. Y. Hada  July 19, 1993