岡山理科大学自然植物園


カニツリグサ
 Trisetum bifidum (Thunb.) Ohwi

 イネ科 Gramineae

カニツリグサは人里や路傍に普通に見られる多年草である.植物体はひざ程度の高さである.茎は細くてやわらかく,小穂に長い毛がついているように見える.この毛はノギと呼ばれ,実を包む穎の中央部が伸びたもので5から10mmになる.植物体全体にもやわらかい毛が生えることもある.和名「カニツリグサ」の「カニツリ」は昔,かにを捕まえるときに使ったことに由来する.このほか「カニツリ」とつくイネ科植物には「ミヤマカニツリ」「リシリカニツリ」「チシマカニツリ」「オオカニツリ」などがあり,割とその種数は多い.

日本には北海道〜四国,九州地方まで幅広く分布する.

Coll. Y. Hada  May 26, 1993