岡山理科大学自然植物園


キツネノマゴ Justicia procumbens L. var. leucantha Honda

 キツネノマゴ科 Acanthaceae

キツネノマゴは山地や人里に普通に見られる1年草である.夏から秋にかけて各枝先に楕円形の花序をつける.この花序は密に花を付けているが,一度に開花することはない.大部分が下の方の花から開いていく.この花は花弁のもっとも広い部分がピンク〜薄紫色をしておりかわいらしい.花弁の先端は3裂し,蜘蛛のような形の白い模様がある.受粉後,丸っこくて直径約1mmの小さな黒い種子をつける.キツネノマゴの属する「キツネノマゴ属」は世界には約300種が知られているが,日本においては1属1種の珍しい種である.変種として「キツネノヒマゴ var. riukiuensis 」が報告されている.この種は学名どおり琉球地方で発見された.孫の変種はひ孫とは何とも面白さを感じさせる.

日本には北海道を除く,本州〜九州地方に分布している.

Coll. Y. Hada