岡山理科大学自然植物園


コナスビ
 Lysimachia japonica Thunb.

 サクラソウ科 Primulaceae

コナスビは山地や人里で普通に見られる多年草である.初夏に葉の基部から直径約6mmの黄色い花を咲かせる.花弁は5裂しており,花弁の間から先端のとがったがく片が見える.わりと集まって生育しているような印象ではあるが,実際には茎が地上を這いその分布を広げている.植物体は小さく,大きいもので高さ15cm程度である.葉は幅約1〜2cmの広卵形で対生してつく.茎や葉にはひょろっとした軟毛がある.和名「コナスビ」は想像通り「ナスビ」に似ているからである.とくに実の部分が似るというが,なかなか信じがたいものがある.実際にはまるでアサガオの種ができる前のように見える.

日本には北海道〜本州,四国,九州,琉球地方まで幅広く分布している.特に屋久島には全体的に小さいものを変種として扱った「ヒメコナスビ var. minutissima」が報告されている.

Coll. A. Ohtani  May 18. 1999