岡山理科大学自然植物園


クマヤナギ
Berchemia racemosa Sieb. et Zucc.

 クロウメモドキ科 Rhamnaceae

クマヤナギは山地や山道脇で見られる落葉性の低木である.さらにつる性で他の木本類に巻きついて生育しているのが見られる.低木と言われるが高い木の上の方まで巻きついていくので実際には木丈が高いように感じる.葉は互生し卵形〜楕円形,長さ約5cm,全縁でギザギザはない.夏になると白い花を密に付ける.この花は丸っこく先端が割れた程度にしか開かない.同じ頃,実をつけるがこれは今年咲いた花の実ではなく去年咲いた花の実である.実(核果)は卵形〜楕円形で長さ約5mm,はじめ黄色が赤色になり最終的には黒色になる.色の変化によって実の完熟度がわかる.葉やその柄などの形態により,2−3変種と品種が報告されている.

日本には北海道〜本州,四国,九州まで幅広く分布している.茎,葉,実は薬用効果があると考えられており,実は果実酒にも利用されている.

Coll. A. Ohtani  May 16, 1997 Coll. A. Ohtani  June 12, 1998 Coll. A. Ohtani  July 7, 1998