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クリ Castanea crenata Sieb. et Zucc.
ブナ科 Fagaceae
クリは山地で良く見られる落葉性の高木である.街路樹や公園に植えられたり,里山でもクリの実を食用にするために植栽されている.植物体(幹)は高さ約20m,それに応じて幹の太さも太くなる.幹の表面は多数縦に割れ目がある.葉は互生し,長さ約10cm,わりと硬めで葉縁には鋸歯(ギザギザ)がありその先端は針状に鋭くとがる.落葉性でしかも葉が大きいため,管理は大変である.初夏になると次第に雄花が開き始める.高木の上,枝を広くのばすため,花の集まり(花序)は大変な数となる.花序は長さ約10〜20cmと長く,20〜30本が集まって垂れ下がっているように見える.そのときの花のにおいも割合強く香ることが知られている.雌雄同株であり,雄花も充分につくことから受粉もしやすいと考えられる.また,一般にクリはトゲがついたものを指すがこれを「総苞(そうほう)」とよび,それを割って出てくるのが実(堅果:けんか)である.堅果は約2個入っており,小さいクリの方が味が良いと言われている.
日本には北海道の比較的暖かい地方〜本州,四国,九州まで幅広く分布している.植栽も行われている.
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