岡山理科大学自然植物園


クサイ Juncus tenuis Willd.

 イグサ科 Juncaceae

クサイは山地から平地まで普通に見られる多年草である.特に山道にある車の轍(わだち)付近でよく見られる.これは人や車に踏みつけられることで他の植物が倒され,結果としてクサイが生えやすくなるからと考えられている.クサイは近くに背丈の高い植物が生えると日光がさえぎられてしまうため成育しづらいようである.草丈は高さ約50cmでひざ程度まで大きくなる.夏から秋にかけて花をつけ花序となる.花序の脇には花序より長い葉である苞(ほう)をもつ.花序は5−10個のさく果をつける.さく果の中には2-3個の実が入っている.この実(種子)は楕円形で長さ0.5mmと小さい.

日本には北海道〜本州,四国,九州まで幅広く分布する.もともと帰化植物であったという説もある.

Coll. A. Ohtani  May 26, 1999