岡山理科大学自然植物園


マスクサ
Carex gibba Wahlenb.

  カヤツリグサ科 Cyperaceae

マスクサは人里や山地で普通に見られる多年草である.日当たりの良い場所でよく成育する.カヤツリグサ科スゲ属に属するが,スゲ属の中でも数少ない両生花である.植物体の高さはひざ程度で茎は折れやすい.小穂は1茎に3〜4個つく.小穂の直下には長い葉(苞葉の葉身:ほうようノようしん)がある.また果胞の縁には「翼(よく)」と呼ばれる膜がある.これらは他の種と区別するときによい目安となる.近縁種に「タカネマスクサCarex planata Franch. & Sav.」があるが,柱頭の数の違いにより別節として扱われている.マスクサの柱頭は3,タカネマスクサは2である.

日本には北海道をのぞく,本州〜四国,九州地方に分布する.

Coll. A. Ohtani  May 18, 1999