岡山理科大学自然植物園


マツバウンラン
 Linaria canadensis (L.) Dum.

 ゴマノハグサ科 Scrophulariaceae

マツバウンランは現在では山地で良く見られるが,実は帰化植物である.日本には海岸近くに生育する「ウンランLinaria japonia Miq.」がある.植物体は群生し,ひざ上程度の高さとなる.茎は細く,根元にロゼット状に広がる葉がある.和名の由来はこの茎につく葉が松葉状に見えることによる.春から初夏にかけて薄紫色の花を咲かせる.花弁は上部が2裂,下部が3裂している.また,この花弁の中央部は白く隆起している.これは蜜を吸いにくる昆虫がその上にとまりやすくするためと考えられる.一般には雑草として扱われているが,その花の可憐さから刈り取らずにそのままにしてあるところが多い.

日本には北海道をのぞく,本州〜四国,九州に分布している.

Coll. A. Ohtani  April 21, 1999