岡山理科大学自然植物園


メヒシバ Digitaria adscendens (H.B.K.) Henry

 イネ科 Gramineae

メヒシバは畑や野原のような日当たりの良い場所に生育する1年草である.植物体はひざ上程度まで成長し,群生して見られることが多い.茎は細く,折れやすい.葉は被針形で細長く,長さは5〜15cm,先端はとがる.夏から秋にかけて花を咲かせる.花は花弁を持たず大変地味である.そのため,花が咲いたというのはおしべが出ていることを指す場合が多い.花は集まって花序を形成する.花序は「総」とよばれる花の集まりがさらに集まっているものをさす.総は幅1mmと細くて長く,5本前後集まって花序となる.また,総の中軸には毛が密生している.花序の長さは約15cm,垂れ下がってついていることが多い.和名の良く似た種に「オヒシバEleusine indica (L.) Gaertn」がある.メヒシバはこのオヒシバに対して細くて弱々しく見えることからつけられた.オヒシバとは総の数が多く,その太さが細いことでも区別できる.

日本には北海道〜本州,四国,九州,琉球地方まで幅広く分布している.

Coll. A. Ohtani  July 30, 1998 Coll. A. Ohtani  October 15, 1998