岡山理科大学自然植物園


モッコク
Ternstroemia gymnanthera (Wight et Arn.) Beddome

  ツバキ科 Theaceae

モッコクは海岸に近い山地で生育することが多い常緑性の高木である.ツバキ科に属する1属1種の植物である.サカキ属に比較的近縁とされるが,葉が枝先に集まり,果実の種子が5個程度で少ないことから別属として区別されている.植物体は高さ10m程度.葉は硬質(皮質),長さ約5cm,はじめは丸みを帯びた楕円形で互生してつく.葉裏は白い.葉柄と新枝は赤味を帯びる.夏になると葉の基部から白色の花をやや下向きに付ける.だいたい5〜8個の花がまとまってつく.花が終わる頃には白色だった花弁は黄色を帯びている.秋になると,楕円形の果実ができる.果実は直径約1cmの球形,柄から垂れ下がるようにしてつく.その後,果実は熟していくにつれ不規則に先端が割れてくる.そのとき赤色の種子を観察することができる.

日本には本州(関東地方以南),四国,九州,琉球に分布する.また,庭木としても利用されている.

Coll. A. Ohtani  October 9, 1997