岡山理科大学自然植物園


ムクノキ
Aphananthe aspera (Thunb.)Planch.

  ニレ科 Ulmaceae

ムクノキは落葉性の木本である.高さ20〜30mの高木となり,木の皮がはがれてくる.葉はややうち巻いてつき,長さ5〜8cm,両面ともに短毛が密布し,葉縁は細かい鋸歯がある.春〜初夏にかけて花をつけ,雄花は新芽がのびて葉を付ける根元につく.雄花はほぼおしべがむき出しにつく.雌雄同株.秋になると,黄緑色の果実が濃紫色に熟す.果実は2つずつまとまってつくことが多く,直径約1cm,食用にできる.鳥類も好んで食べることが知られている.また,ムクノキは堅いため建築材としても利用している.葉は研磨に使われることもあった.

日本には本州(関東地方以南)〜四国,九州,琉球の比較的暖かい地方に分布する.

Coll. A. Ohtani  October 22, 1998