岡山理科大学自然植物園


ムラサキシキブ
Callicarpa japonica Thunb.

  クマツヅラ科 Verbenaceae

ムラサキシキブは落葉性の低木である.植物体は高さ約3m,人の目の高さあたりに花が咲く.若枝は星状毛があるが,成長するにつれてなくなる.葉は楕円形,長さ約10cm,幅約5cm,対生し,先端が急に尖る.葉縁は細かい鋸歯がある.初夏になると花を咲かせ,花序は対生した葉の基部につく.花は花冠とよばれ,長さ約5mm,ピンクがかった紫色,4裂し,おしべも4本飛び出すようにつく.秋になると花冠と同様,ピンクがかった紫色の果実を約30〜50個,葉の基部につけ,大変美しい.変種として海岸近くに生育するオオムラサキシキブ(var. luxurians Rehder)がある.この変種は葉がムラサキシキブの倍大きく,硬いことで区別する.近縁種にはコムラサキ(Callicarpa dichotoma (lour.) K. Koch)がある.コムラサキとは葉の大きさ,枝が垂れ下がらないことで区別されている.

日本には北海道,本州,四国,九州,琉球と幅広く分布している.

May 29, 1996 Coll. A. Ohtani  June 13, 1997 Coll. A. Ohtani  September 17, 1997 Coll. A. Ohtani  October 29, 1997