岡山理科大学自然植物園


ナガバタチツボスミレ
Viola ovato-oblonga (Miq.) Makino

  スミレ科 Violaceae

ナガバタチツボスミレは日当たりの良い森林に生育する多年草である.春になると山道脇で薄紫色の花を咲かせているのをよく見かける.植物体は高さ15-40cm,葉は根元から出る葉(根出葉)と茎から出る葉(茎葉)の2型がある.根出葉はハート型,茎葉は根出葉より細長い被針形をしている.花弁は長さ約1cm,大部分は薄紫色であるが濃色になる場合も見られ,個体変異がある.地下茎は短く,多少横に這う.近縁種にはタチツボスミレ(Viola grypoceras A. Gray)がある.タチツボスミレは根出葉も茎葉もほぼ同形である点で区別されるが,多少植物が育ってからでないと区別は難しい.

日本には北海道を除く,本州(中部地方)〜四国,九州に分布する.

Coll. A. Ohtani  April 27, 1999