岡山理科大学自然植物園


ナツアサドリ
Elaeagnus yoshinoi Makin

  グミ科 Elaeagnaceae

ナツアサドリは本州(中国地方)の山地を中心に見られる落葉性の木本である.植物体は高さ3-5m程度と比較的小さいが,枝は太い.葉は楕円形,長さ約5-10cm,両面に星状毛と呼ばれる毛が密布する.この星状毛は1点から5-6本の毛がでている状態を指し,ナツアサドリの属するグミ科特有の特徴である.ナツアサドリがはじめて報告されたのは1902年現在の岡山県高梁市で採集された個体による.現在では岡山県以外にも島根県や愛媛県でも発見されているが,いずれもレッドデータ種として扱われている場合が多い.近縁種にはアリマグミElaeagnus murakamiana Makinoがあり,果柄の長さや葉裏の鱗片の状態で区別される.

日本には本州(中国地方),四国に分布する.

Coll. A. Ohtani  September 12, 1997