岡山理科大学自然植物園


ナワシログミ
Elaeagnus pungens Thunb.

  グミ科 Elaeagnaceae

ナワシログミは海岸付近から山地や林縁に見られる常緑性の低木である.植物体は高さ2-3m,茎や枝は細い.葉は楕円形,長さ約10cm,葉縁はやや波打ち,革質で硬いがよく虫にかじられた跡がある.葉の両面に星状紋があり,特に裏面は紋が多いため白くみえる.この紋は葉が古くなるほど少なくなる傾向がある.葉柄の脇からは小さなトゲをつける.このトゲはもともとは枝として出てきたものだと考えられている.初秋に白い花を1箇所に2-3個つけ,その集まりがそれぞれの葉柄付近につく.実際は花ではなくがく片である.がく片の外面には茶色の点が不規則につき,実が完熟しても脱落しない.春から初夏にかけて赤く熟した実をつけ,食べることができる.実は長さ約5-10cm,先端に乾燥したがく片が残る.

日本には本州(伊豆半島以西),四国,九州に分布する.





Coll. A. Ohtani  October 9, 1997 Coll. A. Ohtani  December 8, 1999