岡山理科大学自然植物園


ネズ Juniperus rigida Sieb. et Zucc.
 
 ヒノキ科 Cupressaceae

ネズは日当たりの良い山地や岩場に生育する常緑の木本である.植物体は高さ約10mになり,樹皮は縦に深くえぐるように割けてはがれる.葉は針状で硬く,長さ1-3cm,幅1mm,3輪生.先端は鋭く尖り,少し枯れかかったものを触ると大変痛い.雌雄異株で春に花をつける.雄花は葉の基部につき,楕円形でボコボコした形をしている.雌花は雌株の先端につき,ピンク〜薄紫色をしている.果実は毬果と呼ばれ,翌年の秋に完熟する.毬果は直径約1cm,黒紫色で硬い.中を割ってみると,種子が3個あるのがわかる.人の身近にあり,葉が尖っているという特徴から利用されてきた木本である.別名「ネズミサシ」はネズミよけに葉を利用したことに由来する.

日本には本州(東北地方以南),四国,九州に分布する.



Coll. A. Ohtani  April 7, 1999 Coll. A. Ohtani  October 28, 1997 Coll. A. Ohtani  December 3, 1997