岡山理科大学自然植物園


ノアザミ
Cirsium japonicum DC.

 キク科 Compositae

ノアザミは山地や里山で普通に見られる多年草である.植物体は高さ50-100cm,茎や枝は細く,ひょろっとした印象を受ける.葉は長楕円形,長さ5-10cm,表面にはまばらに毛があり,切れ込みが深く,大きな鋸歯の先に鋭いとげを持つ.根元にロゼット状につく葉がある.初夏〜夏にかけてピンク色〜赤紫色の花を頭状につける.花びら(花弁)は筒状花で先端が5裂している.このとき,指で花をつっつくと白いものが出てくる.これは雄しべが花粉を形成した後,雌しべがそれを押し出すように成長するためである.これにより自家受精を避けている.指でつっつくという行為はミツバチなど昆虫が花によってきたと勘違いし,花粉をつけようとしたものと考えられる.まれに白い花が咲くものがある.

日本には北海道を除く,本州,四国,九州に分布している.

Coll. A. Ohtani  May 18, 1999 June 1, 2006 June 1, 2006 June 1, 2006