岡山理科大学自然植物園


オカトラノオ Lysimachia clethroides Duby

 サクラソウ科 Primulaceae

オカトラノオは日当たりの良い山道わきや人里で見られる多年草.比較的緑の草むらに生育していることが多く,白い花序はよく目立つ.植物体は高さ50〜100cm,毛がまばらにある.葉は楕円形,長さ5〜10cm,やや硬く互生してつき,葉縁は全縁,先端は尖り,葉柄は短い.初夏になると長さ10〜20cm,白くて先端から垂れ下がる花序をつける.花序には基部から白い花が徐々に咲いていき,花の直径は約2cm,花柄は短く約1cm.果実は球形,直径約2〜3mm.近縁種には「ノジトラノオ Lysimachia barystachys Bunge」があり,葉形や茎や花軸にある毛の長さで区別されている.また,「ヌマトラノオ Lysimachia fortunei Maxim.」との雑種が報告されている.

日本には北海道,本州,四国,九州まで幅広く分布している.

虎の尾に似た花穂をつけ,身近な丘に自生するので,オカトラノオという.

花期 6〜7月

Coll. A. Ohtani  May 28, 1998 Coll. A. Ohtani  October 9, 1997